nezu
 ねづ式
 Album
oyoyo1

★およよ!に戻る

ねづ式生活観察記

一九九八年 十月

11日(日) 雲一つない秋晴れ
 朝10時から根津小学校の校庭で根津7町連合の防災訓練が行われた。三々五々集まった地元民約150名。「年寄りでも参加できるの?」と入り口できいているおばあさん。快晴なのでとにかく暑い。炊き出し、初期消火、救命、地震の揺れ体験等盛りだくさんのメニュー。町会ごとに班になって、各コーナーを巡回体験していく。煙の体験コーナーでむせたり、炊き出しのところで試食したり、のんびり世間話をしながら回る。各町会が持っている巨大な消化器を試しに使う場面では、取っ手のところが古くて馬鹿になっており、粉末消化剤が校庭中に撒き散らされるハプニングあり。帰りにカンパンと缶詰、三角巾、炊き出しに使う特殊なビニール袋等をお土産にもらって昼前に帰宅。町内会のみなさん、ご苦労さまでした。

 

一九九八年 九月

17日(木)
 明日から秋祭り。「大祭」のポスターが至る所に貼られている。ここ1,2週間、朝太鼓の練習の音に目を覚ますことしばしば。
金曜日夕方は子供御輿。19日(土曜日)は大人御輿や太鼓、根津音頭など。20日が7カ町連合渡御。この土日は通行止めで車が出せなくなる。
町内会では、半纏も貸し出ししてくれる。クリーニング代込みで500円。

19日(土) 
太鼓の音で目が覚める。八重垣町のテントでは最後の仕上げ作業中。お神酒を飾ったり、炊き出しを食べたりしはじめている。11時ごろ、境内にでかける。たこ焼ややきそば、金魚すくいなどの屋台が忙しく準備をしている。すでにカメラを片手に見物客が集まりはじめている。踊りの行列に参加するらしきおばさんたちが、派手な着物で建物から出たり入ったりしている。

24日(木)
 朝、デイケアセンターに行くお年寄りをピックアップしてまわっているマイクロバスが巡回している。おじいちゃんとおばあさんが不忍通りの歩道でバスを待っている。おばあちゃんは足が悪いらしく、歩くときには、疲れたら座ることもできる買い物小カートに捕まりながらゆっくりと進む。おじいちゃんが横から支えている。カートや杖こそもっていないが、おじいちゃんの方も足元がしっかりしているわけではない。見る間におばあちゃんが道脇の排水溝の上でスローモーションでこけた。道には結構段差がある。排水溝の傾斜にそって斜めにすすんだカートに捕まっていたおばあちゃんはバランスを崩したのだ。おじいちゃんと私が助け起こしたが、おばあちゃんはわき目も振らずにぶつぶついいながら、バスを待つべくじりじりと前進していった。

 

一九九八年 四月

5日(日)
上野・谷中方面に花見散歩。桜満開。上野のお山は花見客で満杯。ごみは持ち帰りましょうの横断幕がせっかくの花を隠している。
谷中墓地 午後遅くで宴会食は終了。民謡の一段がプロ並みの腕前を披露。飛び入りでアンプなしのエレキギターで飛び入りする音大生。後ろをござを抱えたおすうもうさんが歩いていく。

15日(水)
つつじ祭りがはじまる。千代田線の根津駅に「つつじ 3分咲き」の看板がでている。今年は暖かいせいか開花が早い。とおりにはビニールの花やつつじ祭りの垂れ幕がかかり、町はつつじ祭り一色。これから約2週間は根津は路地裏まで人があふれる。

23日(木)
駅の看板が「7分咲き」を告げている。朝からおばさんが地図を片手にきょろきょろしている。

29日(水)
つつじ祭りたけなわ。昼前に根津神社にでかけてみたが、つつじはほぼ終わり。まといのパレードが練り歩く。神社のまわりの屋台ではイカ焼きやタコやき、金魚すくいなどどこもごったがえしている。甘酒茶屋もいっぱい。若人の太鼓の音が鳴り響く。午後から御輿がでるせいか法被姿のいなせな兄貴があっちに一塊、こっちにも一団とたむろしはじめた。

一九九八年 三月

1日(日)
またしても雪。午後には雨に変わる。居酒屋田吾作前の桃の花のつぼみがかじかんでいる。根津神社の梅は雪にもめげず満開。境内にトイレを建設中だった。

3日(火)
20時半。「あいすくりーむ、あいすくりーむ、あいすくりーむだよ〜。ほっとどっく、ほーっとどっく、ほーっとどっくの。。。」の音楽が拡声器から不忍通りに流れる。黄色いワゴン車が信用金庫前に停車。ピンクのうさぎマークの大学堂のアイスクリームとホットドック移動販売車だ。毎日きているかどうかは不明。何故アイスクリームとホットドックなのか? あの音楽と歌詞は誰が作ったのか? 妙に耳について口ずさみながら帰宅の途へ。

 

一九九八年 二月

4日(水)立春
午前9時すぎ。不忍通りの根津神社入口交差点で、歩行者が車にひっかけられて転倒。昨日より白衣屋の隣(たしか洋装店だった?)が解体中。不忍通り沿いの商店街も虫歯状態?

8日(日)
久々に柳屋のたい焼きを買いに行く。3時過ぎに行ってみると、すでに10人以上並んでいた。そのころから風が強くなり、小雨もぱらついていたが、みんな動かない。春日部ナンバーの車で乗り付けて買い込む人、チャリンコを漕ぎながらたい焼きをほうばって帰る人。「たい焼きを買い込んで帰ったときはねえ、レンジでチンするのはだめ。じっとりしちゃうしね。オーブンでホイルにまいてじわじわと暖めて、暖まったところでホイルの片面をはずして皮をパリッとさせるといいよ。皮はパリとしてるし、中の餡子も暖まるし。」と並んでいたおばさんが教えてくれる。30分ほどかかってようやくたい焼きを手にした。4時頃通りかかると、すでに売り切れていた。

15日(日)
またしても雪。昨日の気温は23度。今日は3度。午前中でやんだ雪は屋根をうっすらとかぶる程度。木造アパートの木壁が重たく見える。3時過ぎると銭湯の煙突から煙がたなびく。4時に湯屋の扉が開く。この辺の冬の銭湯ファッションは、綿入れにスウェットのズボン、小脇に風呂敷きで結わえた洗面器、ぞうりかサンダルをひっかけて、左右にちょっと揺れながら小走りに行く。夜10時、冬場の夜回りの拍子木の音が路地裏に響く。

18日(水)
デイケアセンターへの送迎バス。車椅子にのり、ひざ掛けをして不忍通りでおばあさんが待っている。マイクロバスの中では、コートに帽子をしっかりかぶっておしゃれをしたおじいさん。なんだかとってもダンディ。

 

一九九八年 一月 睦月

1日(木)
午前0時。路地裏の暗闇から根津神社へ出かける初詣の人が現れる。たこ焼きと破魔矢をかかえて帰るおばさんもなんとなく晴れやか。朝8時。深夜のざわめきはなく、着物につっかけ姿で参道を行く人ちらほら。

8日(木)
夕方から今年はじめの雪が降る。午後9時には積雪10cm以上。千代田線は運休することなく、根津駅から足早に帰宅する人々。

9日(金)
朝9時。不忍通りの八重垣商店街ではいっせいに雪かき開始。みんなスコップをもっているのにはびっくり。長屋の屋根の上に猫の足跡あり。

15(木)
今年2回目の大雪。路地をある人影なし。コスモ石油の給油所で、従業員がせっせと雪かきをしている。先週より多い16cm以上の積雪となる。

18(日)
小雨。屋根に残っていた雪がすこしづつ落ちていく。ただまだ気温は低く、吐く息は白い。根津神社の氏子への豆まきへの招待が掲示板に貼られた。

[Album] [ねづ式、家に帰る]

 (C) 1998 oyoyo! All Rights Reserved